「経営戦略を問いなおす」を読んだ

神戸大学経営学三品和広先生の「経営戦略を問いなおす」という本を読んだ。
企業で企画を担当する人間としては、「どきっ」「ぐさっ」「やっぱそうだよな」のポイントが数々あって、ウチの役員にも読んでもらおうと、思う。
短い新書版の本なので、アブストラクトは書かない。下にリファレンスを書いておくので読んで下さい。
何が「どきっ」・「ぐさっ」だったかというと:

  • いつでも誰でも戦略?

皆、戦略・戦略と云う。書いてみろ、というと、いつでも誰でも戦略を書いてみせる。おかしいんじゃないか。経営戦略は、機を見るに敏であることが肝なはずだろ。世の中の変化の兆し・パートナーからの新たなオファー・競合の新たな動き・・そういう外からのシグナルから自社の戦略を作ったり更新したりするものだ。

  • 組織は人選によって戦略を選ぶ

そうだよなぁ。最近ウチの会社は社長が替わった。私も含めて取り巻きは前社長がもう一期続投するだろうと思っていた。が、突然の社長交替。新社長はウチで初めての技術系社長で、極めて実務的というか、短期の業績に強くコミットし、現業の維持拡大に強く注力する一方で、新しい研究や新規事業創出には意欲を示さない。そういう戦略をウチは選んだわけだ。企画担当としては新しいことやりにくくなるなぁ。プロセス改善とかリストラとかが仕事の中心になっちゃうのかなぁ。臥薪嘗胆。

  • 業界のトレンドを越えて長期の成長をする企業は社長が長期政権

そうだよなぁ。成功しているから社長が長持ちするのか、一人の社長に長期任せるから業界平均より成長できるのか、、鶏と卵ですけど。例に上がっているエクセレントカンパニーは少なくとも10年は一人の社長が引っ張っているものね。
ウチは長くて6年、もっと短いことが多い。まいったな。

【本のリファレンス】
経営戦略を問いなおす ちくま新書
経営戦略を問いなおす(筑摩書房) 三品 和広著
税込価格 : \735 (本体 : \700)
出版 : 筑摩書房
サイズ : 18cm / 220p
ISBN : 4-480-06322-6
発行年月 : 2006.9