新聞は書けない藤沢市百条委員会の内幕 その2.正義の人編

藤沢市善行6丁目の土地を不自然な経緯・価格で市土地公社が取得した問題で、市議会の調査特別委員会(百条委員会)がシリーズで開催されている。
一市民として過去3日間の証人尋問を傍聴してきた。新聞は書けないその内幕を生々しく共有したい。
その第2弾は、「正義の人」。
人にはそれぞれの立場があり、立場上、言いたくても言い難いことがあるものだ。これからご紹介する二人の証言は、それぞれの御立場からすればとても言い難いことを「事実は事実だから」と明かしてくれた「正義の人」の証言だ。

◆善行市民センター長(鈴木氏)
6丁目の土地取得や陳情に関して頻繁に関与するチャンスがあるのだが、何故か時々議論から外されている人物。矢島市議が6丁目土地の購入を市に働きかける時は、何故か頭越しに部下を矢島市議に使われている。自治連の事務局をするのが仕事の一つなのに、自治連会長が市民農園の陳情に行く時に同席していない。
そういうもしかすると煙たがられているかも知れない鈴木氏が8月24日の百条委員会で熱く語ってくれている。

自治連事務局として(市民農園の陳情について自治連内部での)議論は承知していない。」
百条委前の話になるが、この陳情は自治連会長と数人の役員で作った陳情であって、地元の総意では全くないことが、鈴木氏の発言から明らかになった。結局、自治連会長が「迷惑をかけた」と陳謝するきっかけとなったのが鈴木氏である。

「(土地を特定した日は9月19日(陳情の翌日)と言われているが)私も板垣自治連会長と市民自治部長との打合せに同席した。私の手帳によると、9月19日は空いている。10月31日に「市民自治部長と自治連」という書き込みがある。土地特定の日は10月31日だったのだろうと思う。記憶でも10月と記憶している。手帳は証拠として提出するのもやぶさかでない。」(その後、個人情報に配慮しながら委員会に手帳が提出されている)
これはもし本当なら重大発言なのです。多くの証人が9月19日に購入検討の対象土地を特定した、と証言している。それが実は10月31日だとしたら、藤沢市から土地公社への先行取得依頼が10月27日なので前後関係が入れ替わりグチャグチャになる。

◆経済部長(当時)沖山氏
市民農園の陳情の最初の担当部署(農業水産課)の上司(当時)。同陳情の処理について、生々しく語ってくれています。

自治部長に呼ばれて、陳情書・地図(A3明細地図)を受け取った。上からの指示であるので、考えて対応してほしいと言われた。」
「当時、買ってまで市民農園を作ることはしていなかったので、私自身・農水課担当も驚いた。」
「土地公社の中島からの情報として、善行のこの土地について財政課から買収の線で動いている、不動産鑑定士も一緒だという報告を受けた。私は愕然とした。」
この買収に農水課は関わるべきではないと、職員にはっきりと命じた。この話は非常に危険である、と認識していた。土地の価値が利用する上で貧弱である。買う、整備して市民に提供するということを考えた時に、陳情がおかしい。総意なのか?自治連で議論されたなら(市民)センターが知っているはず。(土地開発)公社が動いている。おかしい。一言で断ることも考えたが、それでは市の対応姿勢として無粋になるので、(回答)文言を慎重にするよう指示した。」

陳情の処理を開始する前から財政課・土地開発公社が動いていたこと、市民自治部長が「上からの指示だ」と言っていること、これは沖山氏の勇気と正義感あふれる管理職としての行動・指導によって明らかになった。

結局、沖山氏・農水課は言葉を慎重に選んで婉曲的に「この土地は購入しない」という回答文書(案)を作成して市民相談課に回付している。その結果、この回答文書は採用されず、この陳情は市民自治部に『担当替え』になる。そして購入する方向へ爆走することになる。